関節リウマチ

◆どうしたらいいの？『関節リウマチ』Rheumatism Articular

関節リウマチってどういう病気？

「関節リウマチ」ってどういう病気？
「関節リウマチ」とは、自己免疫の異常により体のあちこちの関節に慢性的な炎症が起こり、関節が腫(は)れて痛んでしまう病気のことを言います。

最初は、関節のこわばりが朝に起こり、次第に腫れと痛みが酷くなり。進行すると関節の軟骨や骨が破壊され、関節の変形と機能障害(自由に動かせなくなること)が起こります。

関節リウマチの原因は？　どういう人がなるの？

関節リウマチの原因はいまだに特定されていません。
体の中の防御機構（自己免疫）の異常によって起こるということはよく知られています。分かっているのは、遺伝的の何らかの異常とウイルス感染など環境因子の二つが関与しているのではないかと考えられています。

関節リウマチは、膠原病（何らかの原因により自己免疫反応が働いた結果、全身にある結合組織（コラーゲン）を中心に炎症が起こってしまい、体のあらゆる臓器にも障害があらわれる病気の総称。）とよばれる病気の中で最も発生頻度が高い病気です。
人口の0.4~0.5％、30歳以上では約 1％にあたる人がリウマチに罹っていると考えられ、全国で60万人もの患者さんがいると報告されています。

関節リウマチはどの年代にも起こりえる病気ですが、とくに30歳～50歳代の中高年の人の発症数が多く認められています。

また、男性と女性とでは1：3～4の割合（男性の3～4倍）で女性にとても多い病気です。

関節リウマチにはどういう症状があるの？

関節リウマチとは、体の防御機構（自己免疫）の異常により主に手足の関節に症状が出現します。
しかし、全身の結合組織（コラーゲン）に病変が及ぶために、思わないところにまで症状が出現することがあります。

では、関節リウマチにはどんな症状があるのか見てみましょう。

関節に出る症状

関節リウマチの主な症状は関節症状です。
関節リウマチの初期症状は、手指や足の関節が腫れや痛み、関節が固まってしまい、朝のこわばりなどがみられます。
例えば、
「朝出かけようと靴を履いたら、いつも履いている靴なのにきつい。」
「風邪をひいたときみたいに何だか関節が痛い。」
「朝起きて手を動かしてみたら、何だか動かし辛くてぎこちない。」など
関節リウマチは、これらの症状により初めて自覚されることがとても多いです。

関節リウマチは、とくに手指や足に出ることが多く、左右対称的に症状が出ることが特徴です。
最初は関節の腫れや痛み、こわばりだけあったものが、次第に症状が酷くなるにつれてあちこちの関節が変形してしまうのです。
足の親指が変形して小指側に曲がってしまう「外反母趾」になったりもします。
関節以外の症状

慢性的的な炎症による全身症状
関節リウマチは、体の防御機構（自己免疫）の異常が全身に及ぶために、病気の進行が早い方や、長い期間関節リウマチに悩んでいる方などには、関節だけではなく全身に症状が出てくる人がいます。

関節の炎症だけではなく全身に慢性的な炎症が起こるために、風邪を引いたみたいに熱が出たり、全身倦怠感やとても疲れやすかったりします。他にも食欲が無くなったり、体重の減少、貧血が起こりやすくなりリンパ節なども腫れてきます。

他にはどういう症状があるんですか？
関節リウマチの25～30％の人に「シューグレン症候群」と呼ばれる唾液腺・涙腺の慢性炎症のために唾液や涙の分泌量が低下してしまう病気を合併します。
シューグレン症候群とは口の中が渇き物が飲み込みにくくなったり、涙が出なくなって目が乾いてしまったことで目が疲れやすかったり、遺物感や目の充血などを起こす病気を言います。

他には骨を壊す細胞が活発になってしまったことで、骨粗鬆症になる確率が上がってしまいます。

また、肘や膝の前、後頭部などの皮膚の下にしこりの様なものが出来てしまったり、炎症により手首のところで神経を圧迫したことによる痺れ、肺にまで炎症が広がり肺炎を起こしてしまうケースや、長い期間関節リウマチを患っている方には、アミロイドと呼ばれる繊維状の蛋白質が腎臓に沈着してしまい、腎不全を起こすこともあります。