不妊症の原因には大きく分けて3つあります。
卵の問題
不妊原因の最も多く、約3割を占めるのが、排卵・卵巣の問題です。
卵子が育たない、卵子の質が悪い、成熟しているのに排卵されない、といったトラブルが起きてしまいます。
排卵に障害がある場合、ホルモンバランスが崩れていることが多く、基礎体温を計っても低温期と高温期が2相にならないでバラバラになっていることが多いです。
以下は、排卵・卵巣の主な原因です。
- 卵巣機能低下(ストレスや加齢、早期閉経など)
- 性腺刺激ホルモン・性ホルモンの分泌低下
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:Polycystic Ovary Syndrome)
- 高プロラクチン血症
- 黄体機能不全
- 黄体化非破裂卵胞(LUF:Luteinized Unruptured Follicle)
子宮と卵管の問題
卵管の異常
卵管とは卵巣と子宮を繋ぐ管のことを言います。
この卵管、は受精・妊娠に大切な卵子、精子、受精卵が通過します。
もし、卵管につまりや癒着があると精子が卵子まで到達できなかったり、受精卵が子宮に移動することができないため不妊の原因になります。
以下は、卵管の障害になる主な原因です。
- 卵管狭窄
- クラミジア感染症
- 卵管閉塞・卵管水腫
- 子宮内膜症
子宮の異常
受精卵は子宮内膜に着床したことで初めて妊娠が成立します。
子宮内膜に十分な厚さがなければ受精卵は着床できません。また、子宮の状態が良くなければ流産の原因にもなります。
以下は、子宮の着床の障害になる主な原因です。
- 子宮筋腫(出来る場所によって着床を妨げる)
- 子宮内膜ポリープ(出来る場所によって着床を妨げる)
- 子宮内膜癒着
- 子宮奇形 (重複子宮、双角子宮)
- 子宮内膜増殖症
- 子宮内膜非薄
- 黄体機能不全(子宮内膜を熱くする黄体ホルモンの低下)
子宮頚管の障害
膣から子宮に入る入り口のことを子宮頚管といいます。
精子は子宮頚管を通過して子宮へと進み卵子と出会います。
この子宮頚管からは子宮頚管粘液が分泌され、精子が子宮内へ進入を助けてくれます。
しかし、もし子宮頚管で精子が通過できなければ卵子と受精する事はできません。
以下は、子宮頚管の通過障害になる主な原因です。
- 子宮頚管粘液の異常
- 子宮頚管の抗精子抗体
- 子宮頚管無力症
- 子宮頚管粘液分泌低下
精子の問題
赤ちゃんが出来ない時、男性側に原因がある割合は3〜5割もあります。
不妊の原因で最も多いのが精子の数が少ない、運動率が低い、奇形、無精子などの精子の形成障害です。
精子の形成障害を引き起こす原因としては、
・ストレス
・精索静脈瘤
・喫煙
・環境ホルモン
・糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病
・染色体異常(クラインフェルター症候群)などが考えられます。
以下は、男性側にある主な原因です。
精子の形成障害
- 乏精子症
- 精子無力症
- 奇形精子症
- 無精子症
- 膿精子症
その他の原因
- 射精障害(最近、増加傾向。心理的な要因によることが多い。)
- 性交障害
- 逆行性射精
- 精路通過障害